「もし湊斗に会ったら伝えておいてくれるかい?『生まれてきてくれてありがとう。愛しているよ。』と。」




そう伝言を言付かって、崎坂さんと別れた後、家に帰った私は考えていた。




私が思いを伝える方法なんて、もうないんじゃないんだろうか……?
世界も違うから、もう会えないし、手紙も出せない。


…………………手紙?







そういえば、カムイの所にいたとき、手紙を書いた気がする。

そして私はその手紙をそのまま……………!





その手紙が船長さんの手に渡れば、もしかしたら。




そんな希望と同時に、別れることになるであろう家族のことを考えると喜びきれなかった。








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