「君には少し酷かもしれないけれど、僕には少し嬉しいんだ。もしかしたら、君はまたあの世界に戻ることになるかもしれないからね。しかも、今度はきっとこの世界には戻れなくなる。」
「えっ、どういうことですか?」
「君の願いが、まだ叶えられてないんだとしたら?」
その言葉に、私は何がなんだか分からなかった。
「だって、私は今この世界に帰ってきてます!なのにそんなことあるわけ……。」
「じゃあもし、こっちの世界に帰したのが湊斗の願いだったとしたら?」
その言葉で、私はようやく崎坂さんの言いたいことが分かった気がした。
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