「私は、船長さんを置いてこっちの世界に戻ってきてしまいましたっ……!それに、船長さんを思ってる人が向こうの世界にはいます…。私なんかより、きっとその子の方が船長さんを救ってくれるはずです………。」
だから、私はお礼を言われる資格なんてない。
むしろ、崎坂さんには怒鳴られても仕方ない。
責められることを承知で言うと、崎坂さんは頭をゆっくりと撫でて言った。
「………少し聞いてもいいかい?」
「なんでしょうか……?」
「君は、どうやってこの世界に帰ってきたの?」
そう聞かれて、魔女との契約の話について答えた。
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