「実は僕も、前に異世界に行ったことがあるんだ。そこで出会ったのが、巫女をしていたミチという女性だった。
僕らはお互い惹かれ合って、僕らの間には男の子が生まれた。その子が湊斗だ。
湊斗が生まれてからすぐ、ミチは湊斗が呪いにかかっていて、5年後には記憶と共に関わった人間の存在を消してしまう、と訴えかけたきた。でも僕はそんなこと信じようともしなかった。なんでそんなことを言うんだってミチを責めてしまった。
そして、湊斗が5歳になった春。ミチは僕に命がけで記憶を託して、気が付いたら僕はこの世界に戻っていたんだ。」
崎坂さんが異世界に行ったことがある、と聞いて驚いていた私だったけど
「崎坂さんが、船長さんの…お父さん………!」
その事実ほど驚くことは他にはなかった。
.



