「異世界………」
「はい、そこで出会った男の人と絵本、それが崎坂さんが書いたこの絵本のお話と一緒だったので、何か知ってるのかとお尋ねしたかったのですが……。」
本にやっていた視線を崎坂に向ける。
すると、崎坂さんは目の前でボロボロと涙をこぼしていた。
「えっ、どうしたんですか!?」
涙を流している崎坂さんと、唖然とする私の前に頼んでいた料理がおかれる。
ウエイトレスさんが去っていった後、落ち着きを取り戻した崎坂さんはぎゅっと私の手を握ってきた。
「君は、湊斗に会ったんだね?」
「みなと…?」
一瞬誰だか分からなかったけど、ぱっと浮かんだ船長さんの顔にはっとした。
「どうして崎坂さんがその名前を!?」
驚く私に崎坂さんは丁寧に説明してくれた。
.



