約束通り出版社の前で待っていると、崎坂さんらしき男の人が現れる。

お父さんと同じぐらいの年齢の男の人は私を見つけると、手を挙げて近付いてきた。





「とりあえず、お昼でも食べながら話そうか。」



そう言われて小さなカフェで注文を済ますと、にこり、と崎坂さんは笑った。





「突然電話してしまってすまないね。出版社から、何度も電話をしてくる女の子がいるって聞いたものだから。」


「その、すみません………。」



迷惑をかけてしまってたのかと反省する。



「それよりも、どうして僕に会いたかったのかな?」


聞いてきた崎坂さんに、私は正直に全て話した。







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