カムイ海賊団は想像以上に楽しかった。
みんな愉快で優しい人たちばっかりで、今までしてきた数々の冒険を面白可笑しく話してくれる。
何より、カムイは船長さんと違って私をペット扱いしない。
いつでも優しくて、まるでお姫様扱いだ。
暖かいはずのカムイ海賊団だけど、どうしても何か物足りないと感じてしまう。
そのたびに私は首を振り、考えないようにするのだった。
「お嬢ちゃん、まだ伝えてないのかね?」
みんなが寝静まった頃、一人で河原に座っていると後ろから声をかけられた。
「……もう少しだけ、時間をください。」
急かしてくる魔女に、そう伝える。
すると魔女は私に紙とペンを差し出してきた。
「これを使ってみると良い。思いを伝えるなど、紙とペンさえあれば出来るからなぁ。」
ひっひっひ、といつもの不気味な笑い声を発して消える魔女。
私は貰ったそれらを見つめると、ペンを手に取りカムイから貰った自室へと足を運んだ。
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