「ユーリ!久しぶりだなっ!」
会ってそうそう正面からぎゅっと抱きしめられる。
それを拒否して胸元を押しているとようやく離してくれた。
「なんでここにいるんですか、カムイ。」
「この近くの村で宴会やってたんだ。ところでミナト盗賊団のやつらは一緒じゃないのか?」
メラメラと対抗意識を燃やしているカムイ。
そういえばアレンさんが、近くの村にカムイ海賊団がいるって言ってたな。
そんな些細な思い出にまた泣きそうになる。
その様子を見ていたカムイは無理矢理私を村に連れて行った。
「ミナト盗賊団が嫌になったんだったら、いつでもここに来い!俺の嫁なんだからな!」
ばしばしと背中をたたいてくる。
その脳天気さに呆れつつも、何も聞かずに私に新しい居場所をくれたカムイに笑ってお礼を言った。
「本気で結婚しよう。」
真顔でそう言い抱きしめようとしてくるカムイに頬のキスを思いだし、全力で捕まらないよう逃げる。
人とこんな風に話すのは久しぶりで、私は自然と笑顔になっていた。
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