「さっきっから呪いだなんだって失礼だよ。わしはある青年の願いを叶えてやっただけさ。また少女に会いたい。少女と恋をしたい。もう1度やり直したい。ってね。その代償に青年からは心を貰ったってわけさ。」




「じゃ、じゃあなんで船長さんが絵本の中の青年と同じような立場にいるんですか!?」



その答えは、あまりに残酷で、願いというよりもまさに呪いだった。




「青年の言った言葉の全てを叶えるのは難しいのは分かるだろう?だがわしも魔女としてのプライドがある。どうにかならないものかと考えて、魂の転生を繰り返すことにしたんだよ。」




「………転生ってなんっすか?」

大人しく聞いてたアレンさんだったけど、だんだん難しくなってきて話が掴めなくなってきたよう。
魔女は丁寧にもちゃんと一つ一つ答えてくれた。



「魂の転生は、今のわしみたいなものだよ。わしの場合は記憶ごと転生しているから過去のこと全て覚えているけれど、さすがに他人の転生に記憶を伴わせるとなると難しくてねぇ。
それに、もう1度繰り返したいという青年の願いも叶えなくてはならないだろう?だから転生した青年の魂の持ち主は、全員青年と同じように記憶が無いところから始まるようにしてるのさ。」










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