少しして、後ろから追いかけてくる兵士たち。
手を引かれて走る私は船長さんのお陰で今まで走ったことのないような速度で走っていた。
「船長さんっ、どこまで走るんですか!?」
尋ねても答えてくれない。
挙げ句の果てにギロリと睨まれ、明らかに機嫌が悪かった。
走り続けて見えてきたのは、この町の門。
門の前には、兵士たちを気絶させたアレンさんたちがいた。
「ユーリ、お久しぶりっす!」
にかっと笑うアレンさん。
その隣には、顔は見えないけれどフードを被った女の人らしき人が立っていた。
「おまえは先乗ってろ。」
走っているまま手を離され、勢いついたままアレンさんに突っ込む。
難なく受け止めたアレンさんは私を奥に止めてあった荷台に乗せ、隠れるように言った。
「おい、この国のやつら。良く聞け。姫を返して欲しかったら、結婚を取りやめろ。」
その言葉に追ってきた兵士たちは足止める。
その後に追いついてきた王様は船長さんと会話し始めた。
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