「何度会ってもあなたは美しい!」
「この肌も体も心も全部、明日には僕のものになるんですね。」
必要以上にべたべたしてくるハリー王子。
前の私だったら、こんなイケメンにべたべたされたらドキドキがとまらなかったかもしれない。
もしかしたら好きになっちゃったりとかも。
でも今はそれどころなんかじゃなく、外に出て船長さんに本のことを伝える。
それだけが頭の中を占めていた。
何度かあった抜け出すチャンスもハリー王子が必要以上にくっついてくるために潰され、ついには寝る時間に。
明日の結婚式のときに逃げよう。
そうして、結婚式当日になってしまった。
白いウェディングドレスに身を包んだ私。
こんなにも早く、こんなシチュエーションでこのドレスを着るなんて、想像してなかった。
大きな鏡の前に立つ私。
そのドレスの中には、足にくくりつけたスタンガン。
これはお姫様の部屋の机の中に隠すようにしまってあったもの。
どうにかしてこのスタンガンをハリー王子にあてて、式を中止にしてやる。
どきどきと緊張する中、声をかけられ王様の元に向かった。
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