すると突然事は起きる。 寺本さんの数十歩後ろをダラダラと歩いていた俺は目を見張った。 昴が恋い焦がれる寺本さんがピンチ状態に陥っていたからだ。他校の輩に絡まれている。 「何かヤバくね?」 ボソッと呟いた。色んな意味で相当ヤバいと思う。主に昴がヤバい。俺は額を抑えて俯く。やべー。頭痛い。何で朝からこんな災難に見舞われなきゃイケねえんだよ。早退していい? …あ。学校にすら着いてねえや。畜生。