沙「ふふ。総司、別にそんなに難しく考えなくていいのよ?」

総「え?」

沙「別に刀を捨てる必要はないわ。ただね、優先順位を変えればいいだけなのよ」

沙織の言葉に耳を傾ける。

沙「あなたにその覚悟があるのならば、蝶の一生を最優先に生きる道もいいんじゃないかしら?」

沙織の言葉に目を丸くする。

それはつまり・・・・

総「ああ、それもいいのかもしれないね」

こくんと頷き沙織は秋の月を見上げる。

総「今日原田さんは?」

沙「それが出かけて帰ってこないのよ」

寂しそうに微笑む。

今日は朝から非番で一日出かけているからろくに会話もできていないのだろう。

本当はどこに行っているのか知っているが、言わずに心にしまっておく。