わいわいと飲むお酒はおいしいが僕はなんとなく盃が進まなかった。

見るとすでに平助と一くんは眠っていた。

お酒が弱い土方さんも障子に寄り掛かって眠っている。

そっと沙織がそれぞれに打掛をかけて風邪をひかないようにしていた。

沙「ふふ。みんな疲れているのね。」

つかの間の休息というべきなのだろうか?

穏やかな時間が確かにここには流れていた。

新八と近藤さんは楽しげにまだ飲んでいる。

僕はそっと部屋を抜け出し縁側に腰掛ける。

蝶「総司」

声をかけられて振り向くとそこには蝶がお酒を持ちながら微笑んでいた。

総「蝶。よく僕が抜け出したって分かったね。」

蝶「総司のことならなんだってわかるもん♪」

そう言ってそっと盃を僕に持たせそっとお酌をする。

総「蝶がお酌してくれるお酒はいつもよりおいしい気がするよ。」

蝶「ふふ。うそばっかり。ねえ総司?」

総「なに?」

蝶「総司、私が怪我したの気にしてるでしょ?」

僕に寄り掛かりながら話しかけてくる。

どうやら眠いらしい。