蝶「べ、別にいつも泣いてなんか・・・」

総「じゃあ、この雫は?」

蝶「・・・・総司を思った結晶です。」

総「あはは。本当に蝶は口が達者だね」

本当はもっとからかいたいけれど体がだるく、口を動かすのが億劫だ。

蝶「そんなことないもん・・・さっき癒しの力を使ったけど普通の風邪だからすぐは治らないみたいで・・・」

総「たぶんこれは誰かが僕に休めっていっているのかもしれないね」

蝶「そうだよ。たまにはゆっくり休みなさいってことだよ」

総「ねえ蝶?」

蝶「なあに?」

総「おいていかないでって、僕がまた労咳になったんじゃないかって心配したから?」

驚いた表情で僕を見つめる。

ああ、やはり図星だったのか。

総「大丈夫、もう僕は労咳じゃないから。蝶が治してくれたでしょ?」

頬に当てている手を握りこくんと頷く。

総「でも、やっぱり心配になっちゃうのかな?蝶の時代では僕は労咳で亡くなったことになっていたみたいだからね」

何度も何度も頷く蝶。

握られている手に触れる暖かな雫。

僕は起き上がりそっと蝶を抱きしめる。