ちりんっちりんっ

屯所内に軽やかな鈴の音がひびく。

見ると蝶がとっとっとっと走っているところだった。

どうやら洗濯物を干すらしい。

巡察を終えた僕と新八さんは縁側で休んでいるため蝶の姿がよく見える。

せっせと洗濯物を手際よく干していく。

「きゃっ!!」

突然突風が吹きあげて洗濯物が屋根に飛ばされてしまう。

蝶「あーあ・・・」

飛んだり跳ねたりしてとろうと試みるが蝶の小さな身長では届かないようだ。

新「ありゃ蝶ちゃんの身長じゃ届かねえな。」

そう言って新八さんは立ち上がり手伝いに行こうとする。

蝶「あ、新八さん!!その場に立っていてください!!」

新「へ?」

不意な発言に戸惑いを隠せない新八さん。

すると蝶の草履をさっと脱いで飛ぶ。

そして新八さんの肩を踏み台代わりにして屋根に飛び乗る。

平「あ、お見事!!!!」

丁度帰ってきた平助がおもわず言葉を漏らす。

新「全然肩に重さを感じなかった・・・・」

新八さんも驚きを隠せないようだ。