「皆様方。これからお見せいたしますのはあくまで遊興。けして手や刀などお出しになませんよう。」

そういい二人は扇で舞う様に次々と男たちを蹴散らしていく。

息がずれることなく互いに背を向けて相手をする。

それはまるで本当に舞を舞っているかのような優雅さでおもわずその場にいた全員が見惚れる。

そして、あっという間に男たちを気絶させてしまった。

沙「いかがでありんした?」

蝶「その様子だと満足していただけたようでありんすなあ。」

2人がにっこりと微笑むとまわりから歓声が聞こえる。

「すげえ!!あの芸者はどこの芸者だ!?」

「是非俺も相手してほしい!!!!」

ざわざわと二人は人だかりに囲まれる。

僕たちは人ごみをかき分けてふわりの前に出る。

男が蝶の手を握っている。

「是非、俺の嫁に・・・・」

僕はさっとその男の手を振り払い蝶の肩を抱きしめる。

総「ごめんね。この子の人生はもう僕が予約しているから。」

蝶「そ、総司・・・・」

顔を真っ赤にしながら驚いたようにこちらを見つめる。

原「そして、こいつは俺の女だから誰にも譲らねえよ。」

沙「きゃっ!!」

いきなり抱き上げられて沙織が小さく悲鳴を漏らす。

土「ったく、結局目立っちまうのか・・・・」