蝶「また来ておくれおすなあ。」

こうして私は今日何人目かわからないお客を送り出す。

角屋は芸者たちが芸を見せたり時肌を売ったりする場所だ。

もちろん、私は肌は絶対にうらない。

なにかありそうなときは沙織がうまく助けてくれるおかげでなんとかやっていけている。

沙織はここの角屋ですぐに人気者になり指名がひっきりなしに起こる。

私は沙織のサポートとして入っている。

正直不安だらけだ。

だけど、少しでもみんなの役に立ちたいからこの仕事を申し出たのだ。

「お鈴。お前に指名がはいっているよ。」

蝶「へえ。今行きやす。」

ここではお鈴と名乗っている。

そして、沙織は桔梗と名乗っている。

でも、私一人に指名なんて・・・・

不安な気持ちを抱えたまま私はその部屋へ向かう。