ふと空を見るとあめがやんでいた。

「ほら!総司!!雨やんだよ!!」

無邪気に微笑む。

「うん。」

「さあ、かえろ?」

「そうだね」

僕はそっと蝶の手を握る。

すると少し頬を赤く染めながらきゅっと握り返してくれる蝶。

憂鬱な雨でさえ

君は明るい晴れ間に変えてしまう。

きっともう雨を憂いることはないのだろうと頭の片隅で考えながら

僕たちは屯所への道を歩いた。