すると不意にあたりを囲まれる。

「はあ、こんな日ぐらいそっとしといてくれないかな?」

そうつぶやくも相手には無意味なようで刀を抜く。

「仕方がないな。君たちが僕に刀を向けたこと後悔させてあげるよ。」

そのまま切りあう。

頬にあたるのは相手の血なのか雨なのか

わからないまま空を仰ぐ。

あたりには男たちが倒れている。

「大丈夫。急所は外しておいてあげたから。」

そのまま刀をしまい歩き出す。

雨をすった羽織が重く、体までも重く感じられる。

大通りには誰も歩いていない。

こんな大雨なのだから当たり前か。

そんなことを思いながら歩いていると前から誰かが走ってくる。

こんな雨の日に走ってくるなんて随分元気なんだなと頭の片隅で思っている。

すると傘から顔が見えた。