黙って歩いてるだけじゃ 間が持たない。
早くどこかにダイちゃんを案内しなきゃ!
「あの…礼拝堂にも行きましたか?」
頭に1番に浮かんだのが“礼拝堂”だった。
「えっ、高校に礼拝堂なんてあるんだ?」
切れ長の大きな瞳が 一瞬…驚いて丸くなる。
「そんな大きくはないんですけど、地域の教会としても使われていて…日曜礼拝も行われてるんです」
「そこは案内してもらってない気がする…。じゃ、そこに連れてってもらおうかな」
「……はい」
ぎこちないながらも、会話が少し続いた。
たった…それだけなのに、嬉しくて笑みがこぼれる。

