その後、あたしはまたママに嘘をついた。
『ママ…?急なんだけど、美琴と一緒にご飯を食べてから帰るね』
そのまま帰ることが、どうしても…できなくて。
ダイちゃんの部屋のドアの前で帰りを待つことにした。
「……ダイちゃん、早く帰って来てよ」
美琴から話を聞いて…不安は募るばかり。
会いたいよ。早く会いたいっ!
『なにも心配いらないから…』って
そう言ってもらって、強く抱きしめて欲しい。
不安でたまらないよ。
お願いだから、早く帰って来て!
「ダイちゃん……」
ドアの前で捨てられた子犬のように、膝を抱えて小さくうずくまっていた。

