1年B組の教室までやって来ると、倉石先生が先に1人で教室の中に入って行った。
俺は先生から紹介を受けるまでの間、ドキドキしながら廊下で声がかかるのを…じっと待つ。
やべっ、緊張してきた。
手に汗までかいてきやがった。
なんせ、この教室の中には女子生徒が40人もいる。
そんなヤツらに、一斉に注目されたら平常心でいられるわけないだろ。
ああ…篤人が行く高校と代わってやればよかったかも。
今さら、なにを言っても…どうにもならないけど後悔してきた。
「じゃあ、早川先生。入って来て下さい」
早川…せんせい?
って…俺のことか?
『先生』って、単語が気になりつつ…
少し俯いたままで教室の中に入っていき、緊張がピークの状態で倉石先生の隣に立つと自己紹介をした。
「早川大地です。これから3週間よろしくお願いします」

