鼻をすする音が聞こえてくると…ダイちゃんはあたしに背を向けた。 見ているだけで、どんな時も安心できる…大好きなダイちゃんの大きな背中。 それが…今、嘘みたいに小さく感じる。 小さな頃からあたしの前では、いつも優しくて頼りがいがあるダイちゃんだった。 なのに…今は、ダイちゃんがとっても小さく見える。 誰にも心の傷を見せないで…1人で抱えていたの? 「……ダイちゃん、あたしがいるから」 本能からの指令であたしは、今にも消えそうなダイちゃんの背中を どこにも行かせないように強く抱き締めた。