ヒナが無防備だから、それに腹が立ったんだ。 はじめは、ただ脅かすだけのつもりだった。 だけど、今…自分でもなにをしているのか…正直わからなくなってる。 やめてやらなきゃ…と思いながらも、衝動が抑えられない。 今度は長くて柔らかい髪の毛をそっと耳にかけ、不安げな耳にキスをした。 「──んっ……」 耳に俺の唇が触れる度に、ヒナが聞いたことがないような声をもらす。 ───もっと、それを聞きたくなった。