「森本さん、ふてくされて…ずっと窓の方ばかり見ていましたね」 「倉石先生も気がついてたんですか?」 「もう20年近く、教師をしているんです。それぐらいわかりますよ」 ちょっとタレ目の優しそうな瞳の奥に、倉石先生が持つ強い意志のようなものを感じた。 「それはそうと…さっき、どうして大きな声を出してたんです?」 「ちょっと…」 口が裂けても、ヒナと“初カレ”が一緒にいるところを想像してたなんて…言えねぇよな。