醜女と呼ばれた姫








「姫さま!」

「え、あ、ごめんなさい。何かしら」

「文が届きましたよ」







 夢を見たあとのような、そんな心地だった。


 共寝をした朝は、どうも、まだ夢を見ているようでうわつく。返事にも力がない。





 それもそうだろう。
 あれだけ囁かれたら……。






 思い出して、赤面。女房に「お顔が真っ赤ですよ」と微笑まれ、さらに私は顔を赤くした。恥ずかしくてたまらない。


 文は成正からのもので身構える。また、その甘い愛のささやきが書かれていたら、私はなんだか、胸の高鳴りだけで死んでしまえそうな気がしたのだ。