『短編』黒縁眼鏡のダイアリー



でも。



ふと、我に返り、わたしはわけがわからなくなってしまった。

楢崎くんには、きれいなあの人がいるのに。



ひょっとして。

あの人は楢崎くんの彼女じゃないのかも。



そう思ったが、すぐに打ち消した。

期待して、そうじゃなかった時のショックは大きい。



期待しちゃだめ。



そう言い聞かせているのに、勝手に期待がふくらむので困ってしまった。