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アタシは3歳の時、自分の両親に婆ちゃん
ちの前に捨てられた。
そんで、二人はどこかへ行った。
未だ行方がつかめていない。

もちろんアタシは両親を知らないし、知ろ
うとも思わない。
そんなことしてるぐらいだったら歌ってる
方が何万倍も何億倍もいい。

・・・でも、母親の顔だけハッキリ覚えて
る。
普通は覚えてないとかがよく物語とかであ
るのに・・・嫌なほど覚えてる。

よく婆ちゃんが言ってた。


『アンタはあんなバカみたいになんなや。
 あのバカはぎょうさん殴らなわからん奴
 なんや。』

『アンタがスカートっ?!色気づいたか知
 らんが男誘惑しとるような服はやめな!
 アンタもあんなあほになりたいんか?!』

婆ちゃんは、ひたすらにアタシの両親を嫌い
、否定し、罵った。

別にアタシは知ったこっちゃないけど、それ
でもガタガタやかましいのには変わりないし、
イライラしたさ。

高校入る直前の16歳の時、婆ちゃんはつい
に死んだ。疲労か何かと思う。病気じゃなか
ったって医者が言ってた。

アタシは涙ひとつ流さなかった。

それだけの感謝だったんだろうな。

育ててくれたのはありがてぇけど、結果コレ
だし。

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