「謝るよ。」
「・・・え?」
「だから、謝るって。」
「・・・頭大丈夫?」
「お前な・・・俺が嘘つけるような器用
な男に見えるか?」
「それは絶対ありえない。」
「・・・。」
棗は面白くなさそうにタバコに火をつけ
る。
「ゴメンな。」
「・・・いいよ。終わったことだし。」
「知ってたのか?」
「・・・アンタしょっちゅう呼んでたじ
ゃないの。
親もいなくて、ヤりたい放題。
女にとっちゃサイコーの条件じゃない
の。」
「ふーん。」
興味なさそうに、棗はギターを弾いてる。
部屋に響くのは棗のギター音。
しばらくアタシはタバコを吸って、
灰皿にタバコを押しつぶした。
「アタシさ。」
アタシは急に口を開いたから、
棗はアタシの顔を覗いた。
「アンタが他の女とヤってるとこみて、
大泣きしたんだよね。」
「・・・知ってる。」
「え?!?!?!?!?!」
嘘・・・?!なんで?!アタシ自分の部屋
でこっそり泣いてたのに・・・。
「うっかりみっけたよ。
・・・悪かったか?」
「・・・ううん。いいよ、別に。
それに、結果的にこうなったし、いいや。」
ニッとアタシは笑うと、ベッドにバタッと倒れ
込んだ。
「・・・アタシもさっきアンタに処女奪われた
しな~。」
「お前が誘ったんだろ。」
「はっ?!///ちげーよ!!///////」
只今、後藤愛羅……赤面。
「ま、今そのルームウェアじゃ色気を微塵た
りとも感じらんねーけど?」
棗はアタシを見て笑う。
今のアタシは、黒の上下七分丈の金のラインが
入ったジャージ。
髪はくるくるになった髪をあらわにして、おろ
してる。


