夜は、ほぼ強引にカヲルと要に一緒に寝
ろとのことで、アタシらは棗と寝ること
になった。


「しつれーしまーす。」

「アホか。」

・・・などと漫才してる場合じゃない。

男と一緒に寝るなんて、生まれて初めて。

婆ちゃんが生きてる時は、
小さい頃、アタシは婆ちゃんと一緒に寝て
たから。
でかくなったら一人で寝てた。
父さんと母さんは――――・・・。

「愛羅?」

「あっ・・・ゴメン。」

「考え事?」

「ま・・・まぁ。でも大丈夫だって!」

アタシはドスッとベッドに腰を下ろす。

「タバコ吸っていい?」

「あ、うん。」

アタシはルームウェアのポケットから、
愛用の『Black Rose』に、アクセ兼ライ
ターで火をつける。

棗はドンッと乱暴に地べたに座り、ギター
を取り出した。

「何弾くの~?」

アタシがフーっと煙をふきかけながら言う。

「ん~?」

となぜか濁したような口調で、ギターの弦を
ビィィィンとピックで響かせた。

すると、それと同時に棗は口を開いた。

「俺さ。」

「うん。」

「女をさ。」

「うん。」

「抱いたことあるんだけど。」

「さっきアタシ抱いたじゃん。」

「いや、お前以外で。」

ぁ・・・。

「……うん。」

「でもさ、」

「・・・。」

「本気じゃなかった。」

「サイテーじゃん。」

「それをサイテーかサイコーか決めるの俺。」

なんつー性格だ。。。

「だからさ・・・。」

「うん?」