「二人ともいくつ?そんな子供じみた行
 動するな。」

カヲルは、いつもより少し強い口調で言
った。

「翼君も、そんなキャラじゃなかったは
 ずだ。
 それに棗。女の子の一人や二人でケン
 カするようなヤツじゃなかっただろ?」


    ズキッ・・・


そう、棗には今までカノジョが何人かい
た。

そのコを連れてくるたび、自分の部屋に連
れ込んで、アタシらを絶対入れないように
してた。
こっそり部屋の前を通ると、そのコの甘い
、艷やかな喘ぎ声が響いて・・・。

アタシはとっさに自分の部屋に駆け込んで、
ベッドでワンワン泣いた。

あの頃のアタシは、自分に対しても素直じ
ゃなくて、自分の気持ちを表に出せなくて
・・・。それどころか表し方もわからなく
て・・・。



でも、今、わかった。

自分の気持ち。

次の棗の言葉で――――・・・。















   「俺、愛羅が好きだ。」