Devils angelS

すると、知らない廃工場に着いた。

「「ハッハッハッ・・・ハッ・・・。」」

二人とも、ものすごい勢いで走ったから、
息が切れまくりだ。

「・・・なんで・・・あんなとこいの?」

「・・・アタシの勝手・・・じゃんか。」

そうだ。そもそもこの人は関係ないじゃん
か。

「俺の勘だけど・・・。あんたいつもそん
 なんじゃないでしょ。」

「そっ・・・そんなのわかんないでしょ。」

「俺には分かんだよ。だって化粧してねぇ
 もん。」

そりゃそうだ。あのネオン街では9割の女性
がメイクをしているだろう。

「・・・そうだよ。いつもはこう。」

そう言うと、アタシは耳の下で二つに髪を結
び、おさげにした。
スカートを膝ぐらいにし、スクバを背からお
ろした。

「・・・やっぱり俺の目に狂いはねーな。」

マスクごしでもドヤ顔がわかる。

「・・・ありがと。」

「は?なにが。」

「ネオン街から・・・アタシを引っ張り出し
 てくれて。」

「なんだよ。自分から言ったんじゃねーの?」

「そうだけど・・・。」

「なんだよそれ。・・・まぁ、これからは気ぃ
 つけたほうがいいな。」

「あなたは?」

「え?」

「あなたはいいの?気をつけなくて。」

同じぐらいの男子に、上から目線されてな
んか嫌に思った。