Devils angelS




なにも考えられなかった。もう。

「うあぅ・・・。」

どんどん口が痺れてくる。

どんどん舌の感覚がなくなる。

コイツがそれほどの深いキスをアタシにく
らわせる。

アタシは、こうなると何も出来なくなる。

体の全神経が止まるように、手足がゆうこ
とを聞かない。

「ぅ・・・あ・・・。」

すると、滝川雷人はアタシの脚の付け根に
手を当てる。

アタシは青ざめた。


このままじゃ犯される。


「やっ・・・やめろっっっ・・・!!」

バシッと雷人の手をはたく。

「ご・・・ごめんっ・・・なさい・・・。
 もう・・・ぇぐっ・・・やだ・・・。」

また・・・涙・・・。

「泣かすつもりは・・・なかったんだ・
 ・・。」

なんで・・・

なんで“今”優しくすんだよ・・・。

“棗のいない今”に・・・。

「なんで・・・優しくしてくれんのよ・
 ・・。アタシ・・・ぇぐっ・・・もう
 あんな人のとこ・・・行きたくっ・・
 ・ないんだからっ・・・!!」

ブレザーの袖で涙を拭う。

アイシャドウがドロドロだ。

もういっそ化粧とってやる。

常に常備してるブレザーのポケットの中
から楽に落とせるコットンで素早く取っ
た。

「メイク・・・落とした顔みせてよ。」

「嫌っ・・・恥ずかしいってば・・・!」

すると、雷人は無理やりアタシが顔を隠
していた腕をわじ掴んだ。