【愛羅 side】
「ど・・・どうしたのってば・・・。」

アタシを棗はベッドに座らせる。

棗がその前に跪く体勢になって、
アタシを抱きしめる。

そして首筋に顔を埋める。

「こ・・・こしょばいって・・・。」

「・・・。」

「棗・・・?」

「・・・ぁ・・・。」

「棗?なんか言えよ。」

「ぅ・・・。」

「・・・喋れないの・・・?」

すると、棗は指で口の端を指差しながら、
コクンと頷いた。

「そっか・・・。じゃあ喋んなくていい。」

ハズいけど・・・キスをしてあげた。

すると、棗は少しうめいた。

「なんか・・・棗の声聞けないって・・・嫌
 だな。」

棗の今の顔(表情)は、この上なく悲しそう。

すると、棗がアタシの耳元で、聞き取りにくい
声でボソッと言った。



「・・・ありがとう。」