卑猥なネオンを輝かせる、繁華街の裏。

アタシと棗はそこのとあるホテルにいた。

察して欲しいが、そこは通常のビジネスホ
テルなどではない。

立派な“ラブホテル”だ。


部屋に入ると、アタシを棗は抱きしめた。

「黙って連れてきたけど・・・いいよな?」

自分の思いどうりいかなきゃ気がすまない
のがナツメだ。

「どうせ嫌って言っても抱くんでしょ?」

「・・・まぁな。」

フと笑うと、棗はソファにドシンと座った。

「でもまず風呂入ってから。先行ってこい
 よ。」

ぶっきらぼうにそう言うと、棗はTVをつける。

アタシが生意気な口叩いたから、
元気になったとわかったったとたんこれだ。

まったく・・・。


――――・・・でも。

でも、アタシには心である一言が浮かび上が
った。

その言葉を伝えるのは、相当勇気がいる。

拒まれたらどうしよう。。。

嫌われたらどうしよう。。。

でも、今は不思議と口を開いていた。



「一緒に・・・入ろうよ。」



そう言ったアタシの方を、棗は振り返った。

「いいけど・・・“保証ないよ”?」

その意味くらいわかる。

「わかってるから言ってんじゃない。」

「・・・しゃーねーな。」

棗はTVを消して、着ていた制服のシャツを乱
暴に脱ぎ散らかして、ソファの背もたれにか
けた。

「いくぞ。」

「・・・うん。」

アタシ達は風呂場に向かった。