Devils angelS

説明が一通り終わると、滝川涼子の頬は
涙の筋で溢れていた。

娘の滝川怜奈も涙ぐみ、息子の滝川雷人
はうつむいていた。

滝川真守は、ただ堂々とソファに背をも
たれかけ、アタシをガン見していた。

「・・・私には、どう受け取ればわから
 ないけど・・・。でも、なんとなくわ
 かりました。」

敬語慣れねぇ・・・。

「私は、今までどうりの生活をしたいで
 す。」

アタシがそう言うと、家族全員の体がこ
わばった。

「ダメ・・・ですか・・・?」

「そう・・・。貴女がそう言うなら・・・
 でも、私たちは貴女とこの家で住みたい
 の。」

え・・・。ここで・・・?

じゃあ・・・要やカヲルや・・・棗に会え
なくなるの・・・?

「・・・ごめんなさい・・・。私・・・や
 っぱり今までどうりがいいんです・・・。」

なんでアタシが申し訳なさそうに言わなき
きゃなんないんだよ・・・。

「ダメなの・・・?」

滝川涼子の声は、さっきと変わらないはずなの
に、変な威圧感を放っている。

「イヤ・・・。」

「愛羅ちゃん・・・?」

「イヤなの!!!!!イヤァァァ!!!!」

アタシの体全身に、“恐怖”そのものが掻き回
される。

すると、脳内に棗の言葉が走った。


『嫌になったらすぐ電話しろ。すぐ迎え
 に行ってやる。』


「!!」

アタシはバッグの中からケータイを取り出して、
棗に電話をかける。


『どうした?』

「来て!棗・・・来てよぉ!!!!」

『・・・わかった!!』