トントン
アタシは“そいつ”の部屋をノックす
る。―――・・・が、返事がないのはいつも
の事。そのままドアを開ける。
「はいるぞー。」
すると、そいつ・・・『棗』は雑誌を読
んでいた。ギターの雑誌。
コイツが【D&A】の『ギター』の
『鈴木棗』。気ままな黒猫みてーなヤツ。
175cmで、金髪で右耳:5左まゆ:2ピアス
赤い目が無駄に大人びている。
「・・・まだ返事してなーんだけど。」
「いつものことじゃん。」
アタシは棗のベッドに座った。
「・・・俺が■■■■してたらどーしてたん
だよ。」
「ブッ(笑)」
吹いてしまったわアホぅ(笑)
「それってどっち?“セ”の方?“オ”の
方?」
「りょーほう。」
――――...真顔で言うなよ(笑)
でも、マジで女連れ込んで“セ”の方して
たのはガチで部屋から出てったよ(笑)
しかもその女が帰ってったら、棗に
『お前が来るからめんどくせぇ事になった。』
とキレられて・・・。
でも・・・あの時、なぜか胸らへんが痛くなって、
一人大泣きしたのは覚えてる・・・。
でもなんで泣いたんだろ。。。
「おい、おい!」
「うわっ!!!急に呼ぶなよびっくりする!」
ガチでビビったぁ・・・。
「お前がボーっとしてたからだろ?ったく。」
ヤバい。棗がキレ気味だ。
「ゴメンって。んで?なんだったの?」
「あ?あぁ。なんで来たんだっつったんだよ。」
棗は雑誌を自分のデスク下の引き出しに突っ込んだ。
「えー用もなく来ちゃあダメなのかよ?」
アタシはベッドに寝転んだ。
ふと棗をみると、うつむいてため息をついていた。
あれ?顔赤い・・・。熱?
「おい、顔赤いぞ?大丈夫か?」
アタシはベッドに寝転びながら言う。
「・・・大丈夫じゃねーよ。」
「え?なんて?」
「大丈夫だっ!・・・んで?用事は?
お前必要以上に俺の部屋なんざ来ねー
だろ?」


