痛い・・・痛い・・・
体の節々が悲鳴をあげている。

今は奴らの”お遊び”
(傍からみれば唯のリンチだが)
が終わりやっと開放され一人地面に横たわって空を見上げていた。
いや見上げる事しかできなかった、痛すぎて動けなかったからである。

ぼーっと自分の人生を考えていた。
よく大人は『人生のうちのたった3年間よ?3年間ぐらい我慢しなさい
これから辛いこともっとあるわ』
なんていう。

でも俺らにとって学校というのはひとつの小さな世界で
3年間だって僕のような『弱者』にとっては耐え難い
想像を絶する時間だ。

俺はこれからの3年間ずっとこうなんだろうか
いや学校を卒業して開放されるなんて決まってるわけじゃない
いやだいじょうぶだ、ほかの街にいけばいいんだから
でもほかの街にもあいつらと同じようなやつがいるかもしれない
今よりもっと酷い事になるかもしれない
でも俺はー・・・

そんな事を考えているうちに
俺はいつの間にか学校の屋上にきていた。

無意識というものだろう
体はまだ悲鳴をあげているが
なんとか歩けるまでに回復していた。

俺の体はフェンスに向かっていく。
フェンスに手をかける
俺は自分が今から何をするのかわかっていた。

なのにまるで他人事のような感覚だった

‐あぁ死ぬんだな、ここから飛び降りたら即死だろうな‐
『無残な死に様だな』
‐俺の人生はもうあの日終わっていたんだ‐
『あの時正義面しなければよかったのに』
‐俺が死んだらあいつら少しは罪悪感に苛まれるだろうか?‐
『むしろ笑うだろう』
‐俺が死んだら誰か悲しむだろうか‐
『誰もいない』


俺の人生はなんて惨めなんだろう
死のう、死んだら天国はあるだろうか?
ああそういえば自殺した人間は天国にも地獄にもいけずに永遠に
この世にとどまり続けるのか・・・
ああ考えるのも面倒くさい

  ”俺が死ねば全部解決する”

俺が一歩脚を踏み出した時だった



「少年、本当にそれが本心か?」

後ろから綺麗な透き通る声がしたのは