…だから、雨の日はキライなんだよ。 最悪なことばかり。 バス停に並ぶ二人。 紺色の傘をさしながら、二人は唇を重ねている。 あたし、気づいてたよ。 「キスしやすそうだな、お前なら」 この言葉の真意は、麻姫とは身長差ありすぎてキスしにくいってこと。 でもね、懸命に背伸びする彼女。 可愛いじゃん、悔しいくらいに。 あたしはバス停に向かわず、裏門へと駆け抜けた。 ザーザーと強くなった雨足。 あたしの汚い心も洗い流してくれたらいいのにね。