○映画村、大店街
撮影風景。
新撰組姿の原田と山本。
飴売り姿の木村。白川女の高田。
農民の子の太一と愛。他通行人。
撮影スタッフと見物客。

(監督)「ハイ、本番!」
スタンバイOK,緊張が走る。
ロープの外に『お静かに』の扇子持ち。

(監督)「よーい、スタート!」
カチンコがなる。
通行人の間を抜けて走る原田と山本。
(監督)「ハーイOK!30分休憩!」

○大店街、店の脇
原田と山本がしゃがんでいる。
(山本)「また手紙がきたんやて?」
(原田)「ああ、また来た。広隆寺の黄金の仏像を盗むと書いてあった」
(山本)「広隆寺?そこやないか」

木村と高田、太一と愛がアイスをなめながら割り込んでくる。
(木村)「何が広隆寺なの?」
(高田)「広隆寺て、そこの?」
(愛)「ねえ?どしたん、どしたん?」
(太一)「手紙やろ、手紙?」

(山本)「で、手紙は?」
(原田)「ああ、これだ」
原田、懐からシール手紙を取り出し端をつまんではがす。

皆覗き込み唖然とする。
(愛)「何も書いてないよ?」
(太一)「ほんとだ?」
(原田)「ああ、書いてあったんだが、消えちゃったんだよ」

手紙、山本から木村へ渡る。
(木村)「で、なんて書いてあったの?」
(原田)「広隆寺の黄金の仏像を盗む、怪盗変面」
(愛と太一)「へんめん!」

(高田)「ほて、いつなん?」
(原田)「次の新月の夜」
(山本)「と言う事は・・・あと2週間か」
腕組みをしてゆっくりと立ち上がる山本と原田。