○同、本殿、内、夜
柱の影で像を見つめる原田。
突然、像が台座ごとガタンとゆれる。
ゆっくりと像が下降する。

完全に見えなくなって5秒後、ゆっくりと
『笑う人魚の像』が上がってくる。
(原田)「あわわわ?」
像の台座に『怪盗変面作』とある。

○同、本殿裏、夜
一瞬にしてパネルをたたみ像を乗せ、
土塀を開けて荷車を押し出す青忍者。
(忍者達)「エッサーホイサー。エッサーホイサー」

○同、本殿前、夜
皆、スクリーンに見とれている。
(変面)「それでは本物を紹介しよう!怪盗変面参上!」

画面が消え真っ暗。すぐにスポットライトが点き、
シルクハット、マントがなびくシルエットが画面に浮かび上がる。

(変面)「ワッハッハッハ。諸君、怪盗変面はここだ!
捕まえられるものなら捕まえてみたまえ!おっとその前に、
国宝と黄金の像は確かにいただいた。ワッハッハッハ!」

怪盗変面は本殿の屋根の上。
変面の体が宙に浮き、天空のワイヤーを
滑空して山門を超えて消える。

○同、山門前、夜
パトカーの後方で赤忍者が白馬を用意している。
変面が滑空してきて白馬にまたがる。
赤忍者と変面うなづきあう。
白馬が山門前を駆け抜けていく。

○同、本殿前、夜
皆、混乱している。
(出羽)「変面を捉えろ!いや、仏像が先だ!」
右往左往するみんなの姿。

結局、警官四人が追跡に向かう。
出羽と亀山、本殿に入る。

○同、山門前、夜
パトカーに乗り込む4人の警官。
何度やってもエンジンはかからない。

○同、本殿、内、夜
『笑う人魚の像』の前に呆然と立ち尽くす出羽と亀山。
同時に手帳を落とす二人の後ろ姿。

○東寺、五重塔、夜
白馬で駆け抜ける変面。
白馬止まり、前足を掲げていななく。
ステッキで天をさす変面。

(変面)「ワッハッハッハ!」
忍者達が荷車を猛スピードで押してくる。
(忍者達)「エッサーホイサー!エッサーホイサー!」
変面たち、夜の闇に消えていく。