私の名前は母親が付けた名前だった。
母親は、恵まれて美しくなるように恵美と言う名前を付けた。
そんな母親は、私が小さい頃から私を愛したことなど一度も無かった。
私はそんな母親の事が小さい頃から大嫌いだった。
だから、母親が付けた恵美と言う名前も大嫌いだった。
「 …み ……み………え み…………恵美!」
「……えっ……何?」
「何?じゃないよ! さっきから呼んでるのに、返事しないし!」
「あっ、ごめん」
「じゃ行くよ!」
「行くって?」
「体育館!」
周りを見れば、誰もいなかった。
「ほら、行くよ!」
そう言って、私の手を掴んで体育館に向って走った。

