私は、声を掛けられたにも関わらず、無視をして教室をでた。
廊下を一人で歩いていると、後ろから誰かが走ってくる足音が聞こえてきた。
「待ってて言ったのに、何で先に行くんだよ」
隣からそんな、不機嫌そうな声が聞こえてきた。
「別に、待つ意味無いし」
「そんな事言わないで」
少し、しょぼんとした声がしてきた。
「これから、どっか行かない?」
「行かない」
「何か用事あるの?」
「無いけど、あんたとは行かない」
そんなやり取りをしていたら、正面玄関に着いた。
私は、一人で靴に履き替えた。
川口涼は先に履き終わったらしく、私の目の前で待っていた。
「ほら、行くよ!」
川口涼は、私が履き終わったと同時に手を掴み走り出した。
「行かないよ」
私は抵抗したが、男の力には勝てずそのまま従うしか無かった。
学校から走って、10分位経っていきなり川口涼の足が止まった。
つられて私の足も止まった。
川口涼が指を刺しながら、
「ここの、ハンバーガー美味しいんだよ!」
と言われたので、私は顔をあげ看板をみた。
「ほら、入るよ」
手を引っ張りながら、店の中へ入った。

