叩かれた反動で後ろを振りかえった。
後ろには、隣の席の奴だった。
「何?」
私は不機嫌そうに聞いてみた。
「一緒に教室戻んない?」
「戻んない」
私はそう告げて、先を歩いた。
「いやいや、一緒に行こうよ!」
そう言って、私の隣にきて一緒に教室に向って歩いた。
「ねえ、俺の名前覚えてる?」
「覚えてるもなにも興味無いし」
「いやいや、興味もってよ!」
「やだ」
「もう……まあいいや」
「改めまして、俺の名前は川口涼!」
「……あっそ」
「俺の事は、涼で良いから!」
「…………」
「これからよろしくね! 恵美!」
勝手に人の名前呼び捨てにしてんじゃねえーよ。
そうこうしている内に、教室に着いた。

