硝子の器に君の雫





 「いい加減にしてください、私・・・お酒ばかり飲みに来たんじゃないです」
 



 酔っ払っていた篠原も彼女の怒鳴り声に驚き目を丸くしていたというより正気に戻った。


 おろおろする篠原をよそに先輩は苛立っている様子だった。


 あれだけ五月蝿かった女二人も口を噤んでいた。そのまま彼女は店のトイレに駆け込んでいってしまった。