だが、浅村はまたやって来た。 

「実は妙な事を聞いたんですが、もしかしたら下の階の男性とお知り合いじゃないんですか?」

「はあ?」

「お知り合いですよね?」

「お知り合いな訳ないじゃないですか。男だって事も今聞いて初めて知ったんですよ」 

 私はムカついた。 

「まあ、落ち着いて下さいよ」

 ヘラヘラした口調だったが、浅村の目はまたしても野蛮な獣を匂わせた。


「そうなると可笑しいですよねえ・・・・」


「何がですか?」

「いえ、それがねえ。貴女が部屋を出ると必ず彼が付いて歩いてるという目撃証言があるんですよ。それでもお知り合いじゃない?可笑しいですよねえ・・・・」