泥だらけの猫

 警察には何度言おうかと考えた。 

 しかし、タイミングが悪過ぎる。 

 いわれもない事で冤罪を掛けられてしまう事もゼロでは無いだろう。 

 おまけに、犯られたことを一部始終聞かれるのは分かり切っている。 

 それも事細かに・・・

 そうなった場合、あの夜の記憶が定かとは言えない私は、道理に合わないことを言う不審人物と化し、喜ぶのは警察と犯人だけ。 
 とてもじゃないが、そんな残酷な結果は私は要らない。