それから月日が流れ春。
私は無事に近所の高校に受かり、新も推薦で条凛学園に受かることが出来た。
そして今日は新が向こうに行っちゃう日。
「まーゆー!!アンタ、新くんのお見送り行かないの?」
部屋の向こうから聞こえるお母さんの声。
ここは私の部屋。
私はベッドに寝っ転がっている。
「いーの。昨日、お別れ会したし。みんな行くのに私まで行ったら人多くて新に迷惑でしょ?だから行かない。」
てっ言ってるけど嘘である。
今日で最後だと思うと泣けてくるから。
勢いで気持ちを言いかねない。
「もー冷たいんだから。ごめんね、新くん。」
「へ!!?」
お母さんは明らかに誰かと話している感じだ。
その誰かは間違いなく新。
今の聞かれた?
私はベッドから降りて部屋のドアに耳を当てる。
「真優、聞こえるか?どうせ泣きそうだから顔出さないんだろ?別に泣いてもいんだよ?」
新の声。
新はお隣さんだから駅に行くついでに私の家に顔を出したのだろう。
てか、私の思考、半分バレてる。