〜2年前の秋〜


「条凛学園に声をかけられた。」


それはどしゃ降りの雨の日のこと。

新は真剣な表情でそう言った。


ここは公園の遊具の中。

余りにも雨がひどいのでここに非難した。

私の横には一本の水玉模様の傘。


「条凛学園か....すごいじゃん!!ずっと行きたいって言ってたもんね!!」


条凛学園はバスケの名門校。

新がずっと行きたがっていた県外の学校だ。


喜んであげたい。

一緒に喜びたいのに....。


私にはそれが出来ない。


気づいていたから。

私は新がすきだって。


てっきり新は私と同じ近所の高校に入ると思っていた。

だから条凛学園を選ぶかもしれないと思うと不安で。

いや、きっと選ぶからショックで。


「うん。でも真優はいいのか?」


真剣な表情のまま私を見つめる新。